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十蘭草堂

五重塔、海神別荘

試験が山を越えたので、この前の土曜日のお話。梵論師と共に歌舞伎座に行き、「五重塔」と「海神別荘」を見てきました。前者は幸田露伴原作、岩波文庫で今も簡単に入手できるかと思います。後者は泉鏡花原作、岩波文庫で出版されているはずですが、最近あまり見ない気がします。鏡花全集(岩波書店)二十六巻所収。
全体としての印象はまあまあといったところ。一番安い席だったので、花道が見えなかったのが多少マイナス。あと五重塔が期待していたほど面白くなかったのも要因です。原作を読んでからだいぶ時間が経過していたからかもしれませんが、なんだか自分の中にあった像と結びつきませんでした。おそらくではありますが、露伴の引き締まった文章を表現しきれていなかったのではないかと思います。文学作品を舞台化したり、映画化する時の宿命ですよね。「伊豆の踊子」ですら山口百恵映画になってしまうわけですからね。
一方「海神別荘」は元々戯曲として執筆されていたためでしょうか、それとも私が鏡花大好きというひいき目があるのでしょうか、前者より楽しめました。玉三郎が出演しているのもそうなのですが、今回の特徴は天野喜孝が美術を担当したことが挙げられます。服や鎧、剣などのデザインが昔のファイナルファンタジーみたいでした。賛否両論ありそうですが、幻想的な雰囲気を出すことには成功しているといえましょう。
あと一週間ほど上演されていると思うので機会があればどうぞ、という感じですかね。
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テーマ:歌舞伎 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2009/07/15(水) 16:48:50|
  2. 演劇・芸能
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食事、そしてミュージカル

外出三連戦二日目。日比谷にあるシアター・クリエにミュージカル「ニュー・ブレイン」を見に行ってきました。
二時に開演なので、その前に昼食を済ますことにします。特に何を食べたいと決まっていない時、店が分散していると、見て回るのが面倒ですよね。デパートのレストラン街みたいに飲食店が集まっているところの方が都合がいいです。んで、辺りを見回してみると…あるじゃないですか。
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日本最高級と言っても過言ではないホテルですから、中に入っている店も外れはなかろうと云うことで突入します。色々見て回った末、洋食店に決定し、「昔ながらのビーフシチュー」を注文しました。三九〇〇円かな?
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みんな普通に食事しているのに一人デジカメを引っ張り出し、撮影しています。明らかに不審人物です。
写真の通り、具も大きく、かなり美味でした。人参って甘かったんですね。忘れてましたよ。
食後、時間が余ったので、帝国ホテル内を見物してまわりました。貧乏学生の物見遊山です。

さて、肝心のミュージカルの話題に移るとしましょう。元々親が仕入れたチケットだったので、正直あまり興味はなかったのですが、食事をメインイベントということにしてついて行きました。見終わった感想はというと、はっきり言ってだるかったですね。歌唱は良かったと思うのですが、ミュージカルはあくまで演劇の一種ですからね。ストーリーが優れていることが前提です。ストーリーがここまで貧弱だと、せっかくの歌が生きないですよ。こういったものは数を見ないと当たりませんから仕方ないですね。私はあまりおすすめいたしません。

テーマ:日記 - ジャンル:日記

  1. 2009/03/26(木) 20:11:07|
  2. 演劇・芸能
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獨道中五十三驛

久しぶりに新橋演舞場に行って歌舞伎を見てきました。演目は表題の通り。ワイヤアクションに水を用いた大規模な滝のセット、弥次喜多の軽妙なやりとりなど歌舞伎ならではの要素がふんだんに盛り込まれていて、楽しむことができました。あと、もう一つの見所は市川右近の早変わりですね。十二役の早変わりも含め、この作品では十五役演じています。二三日まで上演しているので、行ってみてはいかがでしょうか。
さて、新橋演舞場からちょっと歩くとすぐに銀座に到達します。最近は東京駅前の郵便局でもめていますが、この建物ももうすぐ見納めになります。
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はい、歌舞伎座ですね。デザインが変わるらしいですが、どうなるんでしょうね。

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  1. 2009/03/16(月) 19:57:07|
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解ってたまるか

大学から劇場に直行し、劇団四季の喜劇「解ってたまるか」を見てきました。脚本は福田恆存によるものです。
ホテルに立てこもったライフル魔とその説得にかかる新聞記者、知識人達。日本の知識階級、いわゆる進歩的と言われている人々を徹底的にコケにしています。ライフル魔の言葉はいい加減なようでけっこう筋が通っています。つい先日も日本はどうして共和国になれないのかと某大学の教授が嘆いていましたが、知識人というのは劇中でも馬鹿にされていたように往々にして可哀想なくらい現実が見えないもののようです。
けっこう緊密に筋が組まれており、気楽に見るというわけにはいかない芝居ですが、一見の価値はあると思います。是非見に行ってみて下さいね。
風邪気味なので短いですがこれにて御免。

テーマ:劇団四季 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2008/11/15(土) 21:25:08|
  2. 演劇・芸能
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能 「土蜘蛛」

都内某所にて薪能を見てきました。チャリティーなので、入場料は無料。歌舞伎などに比べて能はちょっとなあと思うことも多いのですが、せっかくのチャンスですし、多少遠出でしたが参加しました。
演目は「土蜘蛛」。大体のあらすじを述べますと、病に伏している源頼光のもとに怪しい僧形の男が現れる。その男は病は蜘蛛の精霊である自分の仕業だといい、依光に蜘蛛の糸を投げかける。依光はとっさに刀を取って僧を斬りつけ、僧は姿を消す。依光の部下である独武者は郎党とともに土蜘蛛の後を追い、古い塚の前にたどり着く。塚を掘り崩すと、土蜘蛛の精霊が現れ、最終的には独武者が土蜘蛛を倒すといった感じのお話です。
一般的に能は「静の芸術」とされますが、土蜘蛛と独武者の舞は躍動感があり、薪の明かりと相まって、なかなかいい雰囲気を出していました。席もかなり前の方で見ることができましたし、参加して良かったかなと思っている次第。
最後に開演前の準備風景を一枚。
能舞台
雨も心配されてましたので降らなくて助かりました。また何かしら機会があれば参加しようかと思います。

テーマ:日記 - ジャンル:日記

  1. 2008/11/07(金) 22:24:29|
  2. 演劇・芸能
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プロフィール

挫折亭十蘭

Author:挫折亭十蘭
文学部の書生、世を捨てて、仮想世界に庵を建てる。
芸術を愛で、読書したり、廃墟に行ってみたり。

なお、廃墟への交通手段、侵入方法等の質問に関しては、お答えできかねます。

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