エドワード・ギボンのローマ帝国衰亡史、普及版の下巻が読了したんで、書評を書きます。下巻は大体ユリアヌスからオスマン帝国によるコンスタンティノープル攻略によるビザンツ帝国の滅亡までを範囲とします。
これを読んでみて分るのは、逆臣の陰謀がいかに帝国を弱らせ、滅亡へと転げ落ちていったかと云うことでしょうか。名君、天才というのはそう簡単には現れない、テオドシウス帝が有能でしたが、焼け石に水だったみたいです。ローマという大きな船は、皇帝だけでは支えきれないほど巨大なものだったのでしょう、後にモンゴルも大きな版図を築きますが、あくまでも何もない広大無辺の草原とそこにあるいわゆる「草原の道」を押さえていただけで(それだけでも凄いですが)属州を多数保有していたわけではないですから、また事情が異なってくるだろうと思います。
これだけの大国は現在存在しませんが、ギボンのこの書物は現代の政治情勢を見返すにも良いきっかけを与えてくれるのではないでしょうか。まあ、利用するよりも純粋に楽しんで読むことの方が、本来の読書という気もしますが。
スポンサーサイト
テーマ:書評 - ジャンル:本・雑誌
- 2008/07/31(木) 11:29:30|
- 文学
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0