岩波文庫、濱川祥枝訳。発行年代がかなり新しいので、現在最も入手しやすいシラーの著作だと思います。大体五〇〇ページくらい。スケールがかなり大きいですね、読んだ後はおなかいっぱいです。
戯曲は「ヴァレンシュタインの陣営」、「ピコローミニ父子」、「ヴァレンシュタインの死」の三部に分かれています。ゲーテの薦めで三つに分けたのだそうな。これを二日、三日がかりで上演したのでしょう。面白かっただろうなぁ、上演するなら是非見に行きたい芝居の一つです。ただ、「〜陣営」は状況説明的な台詞が非常に多いので読んでいくときも多少の我慢を強いられました。しかしそれをくぐり抜けると、緊密に組まれた三〇年戦争の物語が一気に展開していきます。これだけの分量で時間経過はたったの三日間ですからね。
若さと気負いに満ちていた初期の作品とは異なり、独特の気品が現れてきた気がします。無論その情熱が失われたわけではありません。この戯曲に登場する、マクス・ピコローミニはシラーの戯曲の中でも最も光彩を放っている人物のひとりだと思います。かっこいいんですよ、ホントに。ここに来て完全にスタイルが確立されたと思います。シラーは戯曲の執筆に当たり、入念な下調べをすることで有名であり、その結果は「三〇年戦争史」にも現れています。それらの歴史研究も面白いみたいなのですが、やはり彼の本職は劇作家ですよね。目下入手困難。
入手しやすいこともあるので、この作品と「たくみと恋」がシラーの作品の中では取っつきやすいかも知れないです。どちらもおすすめ。
「マリア・シュトゥアルト」が手元にありません。すっ飛ばして「オルレアンの少女」を読むことにします。
テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌
- 2008/12/01(月) 20:16:39|
- 文学
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